ラストダンスの結末

ohsugamf102006-07-10

ドイツW杯の決勝をLIVEで見た。毎回決勝戦はLIVEで見ており、サッカーに興味を持った小学校時代の86年メキシコ大会の決勝からかれこれ20年にもなる。

フランスが生んだ稀代のマエストロ、ジダンがこの試合で引退する。晩年はスピードと体力に衰えが目立つものの、ここ10数年の間では、間違いなく世界最高のテクニックと戦術眼を持った選手である。相手は堅守を誇るイタリアであり、メンバーを見るとややイタリア有利っぽいが、ジダンがいるだけで何とかなりそうな気がしてしまう。フランスも守備が堅いだけに、お互い少ないチャンスを如何に生かすかにかかっていた。

まずは、フランスがチャンスを得る。イタリアDFマテラッツィのファウルでPKを得て、ジダンが決める。相手MFトッティの得意技「クッケイオ(イタリア語でスプーン=軽く浮かせるキック)」を見せつけた。あのキックをするのは、相当な勇気と正確無比なキックが必要ではあるが、あっさり決めたところは流石の一言。このまま行けば、このPKがジダン伝説のハッピーエンディングになったのに…

しかし、あっさりとCKから同点を許してしまう。決めたのは、DFマテラッツィ。さっきのPKの汚名返上といったところか。ここから一進一退の展開が始まる。相手の持ち味をお互いのDF陣がことごとく潰す。その中でも、特にイタリアDFカンナバーロは絶品。日本のツネ様と大して体格も変わらんのに、アンリ・ジダンといった超一流どころをパワーとテクニックで封じ込める。体が大きくなくても、何とかなることを教えられた。日本DF陣も見習わないとアカンな。


試合は1対1のまま、フランス優勢で延長戦に突入。延長戦後半、事件は起こった。何と、ジダンマテラッツィの胸に頭突きを喰らわせて1発退場。突然キレる癖は直らなかったみたいね。何か侮辱的な言葉を投げ掛けられての反撃みたいだけど、これでジダンの現役引退が決まったと同時に、フランスの優勝も遠のいてしまう。ジダンあってのチームだけに、いないと普通のチームになってしまう。結局PK戦の末、イタリアが24年ぶり4回目のW杯制覇となった。

大会総論は後日書くとして、なんかすっきりしない決勝戦となってしまったね。頭突きのシーンでは、全世界の人が「ジダン、何やってんの!?」って思ったことに違いない。このシーンで、ジダンの栄光に彩られたキャリアが完全に色あせたという評論家もいるけれど、オレはそうは思わない。マラドーナだってコカインやるわ禁止薬物飲んでW杯追放されたけど、未だにサッカー界ではスーパースターだし。何年かたって「あ〜、そういやそんな事あったね〜」ってなると思う。今だけじゃないの、騒ぐのって。

また、大会MVPはジダンが選出されたけど、これは異論あり。どう考えてもイタリアのカンナバーロだろ。今大会の失点は、OGとPKの2点のみ。と、いうことは流れの中で相手から点を取られてないし、その中心がカンナバーロだった。おまけに1枚もイエローカード貰ってないんだわ、これが。凄いよな〜。何で?という感じ。

それにしてもこの頭突き、マラドーナの「神の手ゴール」ぐらいのインパクトあるわ。